在宅ワークで開業届を提出しようと思っている方に向け、開業届の作成方法と税務署でのやりとりを詳しくお伝えします。
パソコンかスマホで作成する方法を紹介します。書き方も全部丸写しで大丈夫です!
開業届作成の前に注意点5つ(※必ず確認してください!)

- 今働いている会社の副業規定(現在会社員やパートの方)
- 扶養に入ったままでいられるか(配偶者の健康保険組合に確認)
- 確定申告しなければいけない条件
- 失業手当や再就職手当がもらえないこともある
- 育休中は就労時間に注意!
①今働いている会社の副業規定(正社員やパートの方)
現在、正社員やパートとして仕事をされている方は、会社の副業規定を確認しましょう。
副業を認めている会社が多くなりましたが、開業届の提出が規定違反になる可能性もないとは言い切れません。
不安な方はご自身でしっかりと確認をとってください。
②扶養に入ったままでいられるか
配偶者の健康保険の扶養に入っている(健康保険証が夫の組合のもの)という方は、扶養の条件を必ず確認してください。
※組合によって条件がちがいます!
- 年収130万円を超えるまでは扶養に入れる
- 開業届を出した時点で扶養を外れる
健康保険組合のホームページがなければ、会社の総務に電話してみましょう。
③確定申告しなければいけない条件
『開業届』を提出すると、毎年自宅に確定申告書が届きます。
よく分からないし、めんどくさそうモフ…
確定申告が必要になるのは以下のパターン
- 専業主婦の場合、1年間の合計所得が48万円以上
- 副業の場合、1年間の給与以外の所得が20万円以上
- 医療費控除を受ける場合
- 住宅ローン控除を受ける場合
- ふるさと納税でワンストップ制度を利用しない場合
③~⑤に当てはまる場合は、たとえ収入が1円であっても確定申告をする必要があります。
夫が③~⑤で確定申告をする方が多いと思います。その場合、妻が開業しているかどうかは関係ありませんよ。
上の①~⑤に当てはまらない方でも、確定申告をした方がいいケースもあります。
詳しくは以下のサイトで確認しておきましょう。
『確定申告が必要な人とは?確定申告をした方がいい場合も紹介』
④失業手当や再就職手当がもらえないこともある(今後退職を考えている方)
在宅ワークを始めて、近々会社を退職しようかと考えている方は、『開業届』提出のタイミングに注意が必要です!
失業手当や再就職手当の申請時にすでに開業していると、支給の対象にならないことがあります。
以下のサイトがとても参考になるので、目を通しておいてください。
『フリーランスが失業保険を受けるには開業届のタイミングに重要!支給額と計算方法・手続きの流れについて』
「開業届をいつ提出すればいいですか?」という質問にはお答えできませんので、必ずご自身で確認をとって判断してくださいね!
⑤育休中は就労時間に注意!

厚生労働省のホームページを見てみると、1カ月の就労日数が月10日、もしくは月80時間を超える場合、支給要件を満たさないと判断されるようです。
つまり、月10日を超えなければ副業OKということ!
詳しくはご自身でしっかり確認してくださいね!
『【社労士監修】育休中に副業しても大丈夫?副業の方法と給付金への影響について解説』
また、「扶養」と「確定申告」についての知識は開業前に必須です。
以下の記事で詳しく説明していますので、目を通しておいてください。

開業届を作成します

「開業届」は【開業freee】(開業フリー)というサイトを使うと簡単にしかも不備なく作成できます。
スマホでも簡単に作成でき、開業届を提出する税務署もマップ付きで教えてくれます。(登録&利用は無料です)

「開業フリーに登録したら税務署に何か通知がいくの?」と質問がありましたが、税務署に通知されることはありませんよ!
手順①「開業freee」にアクセス
まずは『開業freee』にアクセス。下のような画面になるので「さっそく始める」をクリック。
作成を途中でやめても次回また続きから再開できます。

「メールアドレス」「パスワード」を入力し、「登録して始める」をクリックします。

- メールアドレスを入力
- パスワードを入力
- 「登録して始める」をクリック
すぐに開業届の作成画面になりますので、入力していきます。
手順②質問に答えていく
開業届の作成画面になりますので、順番に質問に答えていきましょう。

どのような仕事をする予定ですか?していますか?
仕事の種類
「自由入力」を選択
下の欄に「WEBサイト運営業」(もしくは「ライター業」)と入力
仕事の概要
「自由入力」を選択
「WEBサイトの運営・管理・インターネットビジネス及びそれに付随する業務」と入力
と入力したら「保存」をクリック。
在宅ワークはほぼパソコンを使う仕事なのでこのように書いておけば大丈夫!「これってどんな仕事ですか?」とか窓口で聞かれることはないので安心してくださいね!
その仕事はいつから始めますか?もう始めていますか?
開業日については、自分で決めた日を入力して「保存」をクリック。
「開業日」は、やるぞ~!と心に決めた日で大丈夫モフ~
収入はいくらくらいになりそうですか?目指していますか?
ここで入力した金額は「開業届」には記載されませんので、ご自身で目指す金額を自由に入力して「保存」をクリック。
私は目標として10万円と入力しました。
どこで仕事をしますか?していますか?
「自宅で働く」を選択して「保存」をクリック。
従業員や家族に給与を支払う予定はありますか?
「今はない」を選択して「保存」をクリック。
すべて入力できたら「次へ」のボタンが押せるようになるのでクリックします。

手順③必要な情報を入力する
次は住所や生年月日の入力モフ~!
屋号があれば入力しましょう
今の段階では「入力しない」で大丈夫です。
屋号とは…
個人事業者の方が使用する商業上の名のことです。よって、個人事業者の方においては、商店名等を入力してください。
出典:国税庁HP
屋号がなくても開業できます。もし決めている屋号があれば入力しましょう。

申請者の情報を入れましょう
- 「名前」(必ず本名で)
- 「住所」(自宅の住所)
- 「電話番号」
- 「生年月日」
間違いのないよう正しく入力し、「保存」をクリック。
ここで記載した住所あてに毎年「確定申告書」が送られてきます。
ちなみに…
1年間に48万円以上の所得がなければ確定申告は原則不要です。(送られてきた書類はそのままゴミ箱行き)
副業の場合は年間所得20万円以上が確定申告の対象です。
収入が月4万円を超えるかどうかが確定申告の目安ですね!
収入(所得)の種類を選びましょう
「事業所得」にチェックを入れて「保存」をクリック。
確定申告の種類を選びましょう
「青色申告55万円控除(オススメ)」を選択し、「保存」をクリック。
確定申告もfreeeを使って申告すれば55万円+10万円の控除が受けられます!
すべて入力できたら下の画面になるので、「書類を提出する」をクリックします。

「書類を提出する」をクリックしても内容が税務署に送信されたりすることはありませんので安心してくださいね!
手順④書類の提出方法を選ぶ
スマホ、パソコンからの提出が簡単モフ~
- マイナンバーカード
- カード読み取り対応スマホ、もしくはカードリーダー
をお持ちの方はスマホやパソコンから提出でき、自宅で完結します。
特にカードリーダーがあると確定申告が圧倒的にラクになりますので用意しておくことをオススメします。
交通系ICカードのチャージも自宅でできるし、子育ての補助金の申請なども全部パソコンからできるのですごく便利です!
書類の提出先を選択しましょう

プルダウンで自宅の地域を選択し、提出先の税務署がどこなのか確認しましょう。
書類をダウンロード

郵送や持参の場合は、ダウンロードされたデータを自宅のプリンタかコンビニで印刷しましょう。
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
以上の書類が自動的に作成されています。
書類の提出方法を選択する

選択した提出方法に応じて次の作業が表示されます。
書類を印刷する
持参、郵送の方は、先ほどダウンロードしたデータをすべて印刷します。
ダウンロードできていない場合はもう一度下の画面のボタンを押してください。

スマホ、パソコンから提出するときは画面の指示に従ってほしいモフ~
手順⑤書類を提出する
ここからは持参、郵送の方向けに提出方法をお伝えします。
書類が印刷ができたら
- はんこを押して
- マイナンバーを記入します
郵送の場合は
- マイナンバーの分かるもの
- 本人確認書類
のコピーも添付します。(あとで詳しく説明します)
押印とマイナンバーの記入


上の図のとおり、押印とマイナンバーの記入をしてください。
※控えには押印のみ(マイナンバーは書かなくてオッケー!)
国税庁のホームページでもこのような記載があります。
申請書等の控えを作成される場合は、
国税庁HPより
その控えには番号を記載していただく必要はありません。
※画面の下にfreeeの有料プランが表示されますが、
必要になったときに検討すれば大丈夫です。
提出するときの注意点もお伝えしておきますね!
税務署に持っていく場合
持参するもの
- 作成した書類(控えも合わせて4枚)
- 本人確認書類(※)
- 印鑑
(※)本人確認書類については下記を参照してください。

提出したら必ず控えにも受領印をもらいましょう。
郵送する場合
(※)本人確認書類は以下を参照してください。

1週間くらいで控えが返ってくるモフ~
以上で手続きは終了です。おつかれさまでした!
税務書での提出は超簡単!
作成した書類を窓口に提出したら、担当者がサーっと目をとおし、ポンポンポンっと日付印を押して控えを返してくれます。以上。
- 「どうして開業するんですか?」とか
- 「この仕事はどういう内容ですか?」とか質問も一切なし!
開業届は「これからお金稼ぎ始めます」と税務署に申告する書類なので、事業がスタートしていない方や準備中の方でも提出できるんです。
収入がなくても税務署から問い合わせがきたり「本当に事業やってるんですか?」などと言われることもありませんので慌てずに仕事を進めてくださいね!
質問やご意見も大歓迎です!

- 我が家の場合は大丈夫なのかな?
- もっとくわしく教えてほしい
- みかこさんちょっと聞いて~!
などなど、みかこに聞いてみたいことや不安に思うことがありましたら、お気軽にコメントくださいね!
下のコメント欄やお問い合わせフォームから送っていただくと24時間以内に必ず皆様にお返事しています。
コメント欄はニックネームのみで、私に送信元や個人情報が送信されることはありませんのでご安心ください。
在宅ワークをする上で保育園に就労証明書を出すのに、開業届は必須ですか?
さおまま様
ご質問に気が付かず申し訳ございません!
「保育園に就労証明書を出す」とのことですが、
保育園入園の申込みをするとき、ということで間違いないでしょうか?
それとも、すでに保育園に入園されており、役所に現況届を提出する状況でしょうか?
どちらの状況であっても、開業届が必須とは限りませんが、
さおまま様がどのような状況かによって少し答えが変わってきます。
これから保育園の入園申込みをするという状況ですと、
自営業の確認書類として「開業届」が必要な自治体もあります。
自治体のホームページで、保育園申込みに必要な書類を確認してください。
「自営」の確認書類として、開業届という記載があれば提出が必要です。
(確認する項目は「自営」の項目です。「外勤」や「内職」ではありません)
一例としては、「営業許可証や開業届、その他事業を確認できる書類」などと記載されていることが多いです。
また、すでに保育園に入園されており、
例えば今回の現況届で要件の切り替えをされる(会社員から⇒自営業に、など)という場合は、
役所に必要書類を確認していただくのが確実です。
ご不明点ございましたら、またご返信くださいね(^^)